OS・アプリケーションのインフラ化

1年前に「ハードウェアの垣根がどんどん無くなっていく」という記事を書いたのですが、スマホやタブレットが支持を獲得していく中で、最近特にOSやアプリケーションがインフラになっていくのを感じています。

この場合のインフラは、「鉄道や道路、水道、電気など意識せずに享受できるサービス」と定義しています。
インフラの説明は、「三省堂 ワードワイズ・ウェブ」が分かりやすいです。

base on 10分でわかる「インフラ」の意味と使い方

道路・通信・公共施設など「産業や生活の基盤となる施設」のことです。

目次

私がOSやアプリケーションがインフラ化してきたと感じる理由

巷では、様々な機器・デバイスが溢れています。
よほど問題意識やリテラシの高い方でなければ、新しいデバイスを使用するにあたって(新しいことを始めるにあたって)多かれ少なかれ不安や緊張感による心理的ストレス、慣れるまでの身体的ストレスがかかると思います。

インフラ化してきたことで、使用に因るストレス・心理的障壁はだいぶ軽減されてきたのではないか、と感じています。

概略

列挙すると以下のようになります。

  • ハードウェアへの依存度の低下
    • ハードウェアに依存しないクラウド上で提供されるサービスが増えてきた
      ブラウザを搭載したデバイスであれば同じように使える
  • OSのマルチプラットフォーム
    • 異なるアーキテクチャのハードウェアでも同じOSが使える環境が整ってきた
      機器が異なってもOSが同じであれば操作感は同じ
  • アプリケーションのマルチプラットフォーム
    • アプリケーションが異なるOS上で動き、作成されるファイルには互換性がある
      同じアプリケーションであれば基本的な操作性は同じ為、違和感がない

具体例

1.ハードウェアへの依存度の低下

各社、クラウド上でのサービス提供を充実させています。
対応したブラウザがあれば、場所やデバイスを限定されずに同じ環境を利用できます。
以下はブラウザで利用できるサービスの一部です。
※無償版に絞ってご紹介します

  • Microsoft提供の主なクラウドサービス
    Microsoftアカウントを取得して利用します。

    • Outlook.com
      • メールサービス(メーラーやWebメールでの利用が可)
    • OneNote
      • デジタルノートブック(手書きもできるメモ帳アプリ)
      • 以下、OneNote - Google Play の Android アプリより抜粋
        主な機能:
        • メモやチェックリストを作成して更新できます。
        • コンピューターを使っているときと同じように、太字、斜体、下線、強調表示、インデントなどの書式をメモで利用できます。
        • ノートブック、セクション、タグでメモを整理できます。
        • メモを手書きしたり、既存のメモに手書きの文字や図を加えたりできます。
        • お使いのコンピューターやデバイス間でノートブックを同期できます。
    • OneDrive
      • 汎用のストレージサービス
    • Office Online
      オンラインでOffice(Word, Excel, PowerPoint, OneNote)を利用できます。

  • Google提供の主なクラウドサービス
    Googleアカウントを取得して利用します。

    • Gmail
      • メールサービス(メーラーやWebメールでの利用が可)
    • Google カレンダー
      • スケジュール管理
    • Google ドライブ(Backup and Sync)
      • 汎用クラウドストレージ
    • Google フォト
      • 写真、動画用クラウドストレージ
    • オフィス業務アプリケーション
      • Google ドキュメント(Wordに該当)
        Google スプレッドシート(Excelに該当)
        Google スライド(PowerPointに該当)
      • 推奨ブラウザは「Chrome、Firefox、Internet Explorer 11、Microsoft Edge(Windows のみ)、Safari(Mac のみ)」
        ※「システム要件とブラウザ」参照

2.OSのマルチプラットフォーム化

OSが特定のハードウェアではなく、様々なデバイスでの動作をサポートするようになってきています。
プラットフォームが異るハードウェアでも同じOSが動く時代になってきました。

base on https://www.weblio.jp/content/プラットフォーム

プラットフォームとは、そもそも「壇上」や「(高い)足場」といった意味を持つ英語である。言及する対象によってプラットフォームが指し示す対象は異なる。
例えば、アプリケーションソフトウェアにとってのプラットフォームといえば、オペレーティングシステム(OS)の種類や環境などを指す場合が多く、また、OSにとってのプラットフォームといえば、CPUをはじめとするハードウェアのアーキテクチャを指すことが多い。

通常、ソフトウェアは特定のプラットフォーム向けに開発され、対応するプラットフォームでのみ動作する。そのため、例えばWindows向けのアプリケーションをLinux上で動作させることはできず、PC/AT互換機にMac OS Xをインストールすることもできない。これに対して、複数のプラットフォーム上で対応可能なソフトウェアは、特にクロスプラットフォームやマルチプラットフォームと形容される。

実際は、OSのマルチプラットフォーム化というよりは、ハードウェア自体が集約されてきている感じがします。

  • スマホ/タブレットは、ARMアーキテクチャ か x86_64アーキテクチャのいずれか
    正確には、Android, iOSのタブレットシェア合計は98.95%、スマホシェア合計は99.98%です。
    詳細は「2017年12月のシェア調査」をご参照ください
    ※"x86_64アーキテクチャ"とは、大まかにIntel, AMD製のCPU/SoCを搭載するデバイスを指します
    ※"ARMアーキテクチャとは(一部の例外を除けば)Intel, AMD製のSoCを搭載するデバイスを指します

  • デスクトップOSは一極化
    デスクトップOSの上位3つ(Windows, macOS, Linux)は、全て"x86_64アーキテクチャ"で動き、シェアは実に99%超です。
    正確には、2017年12月時点の3OSのシェア合計は99.65%です。
    詳細は「2017年12月のシェア調査」をご参照ください
    ※"x86_64アーキテクチャ"とは、大まかにIntel, AMD製のCPUを搭載するPCを指します

3.アプリケーションのマルチプラットフォーム化

OS同様、アプリケーションも特定のハードウェア・OSに限定されず、複数のデバイスでの動作を前提に開発されるようになってきています。

  • オフィススィート
    • MS-Offie
      • 動作環境
        Windows, macOS, Android, iOS, Linux
        ※Linuxについてはリリースされていないため、互換性を重視する場合、WineなどWindowsアプリケーションを動作させるためのプログラム群を用いて導入するか、前述の(インストール不要な)"Office Online"を利用する形になります
  • ブラウザ
    • Firefox, Pale Moon, Google Chrome, Vivaldi, Opera
      複数のブラウザが拡張機能(WebExtensions)で機能を拡張できるように設計されています。
      また、これらの拡張機能には互換性(あるいは互換性を向上させる仕組み)があり、相互に利用が可能です。
      何よりも、ブラウザが利用できれば、場所や機器に縛られずに同じ環境を構築できるのは強みではないでしょうか。
      ※iOSデバイスは拡張機能に制限あり

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