最近、Lubuntuを入れているVersaPro"VY12M/C-3"の使用頻度が上がっています。
反面、プレゼン用のVersaPro"VK27M/B-G"はあまり使っていません。
それぞれのPCには違うOSを入れているのですが、入れ替えを計画しました。
Model | 変更前 | 変更後 | CPU |
---|---|---|---|
VY12M/C-3 | Lubuntu 16.04 LTS x86 | Windows 10 Pro x86 | Celeron M Processor ULV 443 |
VK27M/B-G | Windows 10 Pro x64 | Lubuntu 16.04 LTS x64 | Core i5-3340M Processor |
残念ながら、"VY12M/C-3"はCPUが32bitなので、64bit OSを入れられません。
目次
VY12M/C-3 に、Windowsを導入できるか?
そんなこんなで、32bit版Windowsの導入に当たり、要件を調べました。
Windows 10 のシステム要件
base on Windows 10 のシステム要件と仕様 | Microsoft
パーツ 要件 プロセッサ 1 ギガヘルツ (GHz) 以上のプロセッサまたは SoC メモリ 32 ビット版では 1 GB、64 ビット版では 2 GB ハード ディスクの空き領域 32 ビット版 OS では 16 GB、64 ビット版 OS では 20 GB グラフィックス カード DirectX 9 以上 (WDDM 1.0 ドライバー) ディスプレイ 800x600
"VY12M/C-3"のスペックは、
- Celeron M 443 @ 1.2GHz
- Memory : 1.5GB
- HDD : 80GB
- Chipset : i945GMS Express (Direct X 9.1)
- Display : XGA (1024 x 768)
となっており、条件を満たしているように見えます。
しかし、調べていくとそうではない事が分かってきました。
Windows 10 は、Windows 8.1 の上に成り立っている
上記、公式サイトのシステム要件ページにはサラッとしか書いていないため誤認してしまいがちです。
Windows 8 のシステム要件ページに、他にも満たすべき条件の記載がありました。
Windows 8 のシステム要件
base on Windows 8 と Windows 8.1 のシステム要件
パーツ 要件 CPU PAE、NX、SSE2 をサポートする 1 GHz 以上の CPU メモリ 1 GB (32 ビット) または 2 GB (64 ビット) ハード ディスクの空き領域 16 GB (32 ビット) または 20 GB (64 ビット) グラフィックス カード Microsoft DirectX 9 グラフィックス デバイス (WDDM ドライバー付き)
以下の3つがハードウェア的にサポートされ有効になっている必要があります。
※本来はソフトウェア側の対応も必要ですが、今回対象のOSはサポート済みなので言及しません
- PAE (Physical Address Extension)
4GB以上のメインメモリ(主記憶装置)を扱えるようにする仕組みです。 - NX-bit(No eXecute Bit)
メモリ保護機能の一つで、実行禁止領域のコード実行を試みると、OS側で当該プロセスを停止させることができます。
NX-bitは、上記PAEで追加されたページングテーブルを拡張する形で実装されているため、使用メモリのサイズに関係なくPAEが必要になります。 - SSE2 (Streaming SIMD Extensions 2)
ストリーミングSIMD(Single Instruction Multiple Data)拡張命令と呼ばれ、その名の通り、浮動小数点演算を複数個同時に処理できます。
base on PAE / 物理アドレス拡張 - Wikipedia
物理アドレス拡張(ぶつりあどれすかくちょう、Physical Address Extension)、略称、PAEはインテル社のIA-32アーキテクチャで4GiB以上のメモリを扱う技術。
これらの拡張を実装したプロセッサをIA-32のPAE互換として使用する場合、物理アドレス空間の範囲は64ビットモードで使った場合と同等となる。このx64のページテーブルエントリでNXビットもサポートされるため、4GBの物理空間しかサポートしないWindows XP SP3等のOSでもデータ実行防止のため有効にされることがある。
base on NXビット - Wikipedia
概要
NXビットは、端的に言えば「データの誤実行」を防ぐために用いられる。
そのしくみは、メモリをコード(プロセッサ命令)領域とデータ領域とに分離し、データを配置したメモリ領域にあらかじめ特別な印(属性)を付与することで、この領域のデータを実行しないようにする(実行を試みた際に例外=エラーを発行する)ものである。典型的には、バッファオーバーラン攻撃(後述)等に代表される、ヒープやスタック領域等に置かれたデータを破壊ないしは書き換えて任意のコードを挿入し実行を誘う攻撃を、オペレーティングシステムとCPUの協調により保護するために用いられる機能である。
base on Streaming SIMD Extensions - Wikipedia
SSE 概要
SSEは、x86アーキテクチャに8本の128ビットレジスタを新設し、浮動小数点演算のSIMD処理を実現したものである。
4個の32ビット単精度浮動小数点データを一本のレジスタに格納し、同一の命令を一括処理することが出来る。SSE2
SSE2は従来のSSEに144個の新たな命令が加えられた。具体的には64ビットの倍精度浮動小数点演算のサポート及びMMXを128Bit幅に拡張する整数演算命令の追加、キャッシュの制御機能の強化がなされた。
base on SIMD - Wikipedia
例えばFortranにおけるdoループのような、同一の演算を繰り返すような操作をスカラー計算機のように逐次的に行うのではなく、一度に行うものである。
Windows 7 のシステム要件
base on Windows 7 のシステム要件
パーツ 要件 CPU 1 GHz 以上の 32 ビット (x86) または 64 ビット (x64) CPU メモリ 1 ギガバイト (GB) RAM (32 ビット) または 2 GB RAM (64 ビット) ハード ディスクの空き領域 16 GB (32 ビット) または 20 GB (64 ビット) の使用可能なハード ディスク領域 グラフィックス カード WDDM 1.0 以上のドライバーを搭載した DirectX 9 グラフィックス デバイス
ついでに、Windows 7 の要件もチェックしてみました。
Windows 7 は、特に必要ないようです。
色々記事を読んでいると、Windows 8 登場当初は物議を醸しだしたようですね。
確かに薄っすらと記憶に残っていました。
まとめ
VersaPro"VY12M/C-3"には、Windows 8 以降は導入不可。