VersaPro"VY12M/C-3"のHDDをSSDに換装しようとしてハマったのでメモを残します。
目次
SSDを認識しない
BIOSで認識しないため、困りました。
BIOS上では、タイプ[自動]で「なし」と認識されています。
パラメータを手動に変えてみても変わらず認識しません。
原因の切り分けのために、試しに別のSSDを刺してみました。
そしたら認識します。
どちらもSATA 3.0の製品です。何故?
認識しないSSD | |
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メーカー | WESTERN DIGITAL |
型番 | WDS120G2G0A |
シリーズ | Green SSD 120GB |
コントローラ | Silicon Motion |
メモリセル | TLC |
参考URL | WD Green PC SSD - Solid State Drive | Western Digital(WD) |
認識するSSD | |
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メーカー | ADATA |
型番 | ASX900S3-128GM-C |
シリーズ | XPG SX900 SSD 128GB |
コントローラ | SandForce |
メモリセル | MLC |
参考URL | ADATAは容量を向上させたSSDの最新3機種を発表 | ADATA |
BIOS
VersaProのBIOS起動はF2キーで行います。
認識する方のSSD(SX900)は、BIOS上ではタイプ[自動]で「LBAフォーマット」と認識されており、WD Greenの「なし」とは明らかに異なります。
SX900の自動取得されたパラメータは以下の通り。
転送速度に関する値は設定できる最大値が指定されています。
メイン | BIOS設定画面 |
---|---|
最大容量 | 128GB SATA1 |
LBAモード制御 | 使用する |
転送モード | FPIO 4 / DMA 2 |
Ultra DMAモード | モード5 |
なお、その他のディスクに関する設定は以下の通り。
詳細 - Device Configuration | BIOS設定画面 |
---|---|
SATA Controller 動作モード | AHCI |
E-IDE → SATA 移行時のBIOS
SATAなのにE-IDE表記なのは、古いPCによくある旧時代(IDE・CHSが前提)のBIOSだからです。
当時のBIOSは、IDE(E-IDE) → SATA(Serial ATA 1.0)への過渡期において、IDEからの移行をスムーズにするため、ソフトウェア的にIDEをエミュレートしていました。
※SATAはE-IDEの機能をほぼ同等に備えており、E-IDEのI/Fをエミュレートするホストコントローラを比較的容易に実装できたため
転送速度(理論値)
Ultra DMAやSATAの転送速度は以下のとおりです。
規格 | 最大速度 | よく使われる表記 | 備考 |
---|---|---|---|
Ultra DMA | モード5 | ||
ATA/ATAPI-6 | 100MB/s | Ultra ATA/100 | 48bit LBA (Big Drive)をサポート |
Ultra DMA | モード6 | ||
ATA/ATAPI-7 | 133MB/s | Ultra ATA/133 | SATA1.0の仕様が追加 |
SATA | |||
Serial ATA Revision 1.0 | 150MB/s | SATA 1.0 (1.5Gbps) | 信号経路のシリアル化により通信速度向上 |
SATA II | |||
Serial ATA Revision 2.0 | 300MB/s | SATA 2.0 (3Gbps) | NCQやAHCI規格化により高速化 |
SATA III | |||
Serial ATA Revision 3.0 | 600MB/s | SATA 3.0 (6Gbps) | NCQパフォーマンスの最適化、ATA8-ACS規格適合によりHDDとSSDの識別が可能に |
※SATAのデータリンク帯域は物理レートの80%
個人的な感想
Ultra DMA モード5(100MB/s)で、おおよそ"SATA I"の性能を引き出せるとは思いませんが、当時の2.5インチHDD(5400rpm)では問題ないと判断されたのでしょう。
※実際に5400rpmでシーケンシャルR/Wの性能が100MB/sを超えるのは難しいことは想像できます
結論
多分、AHCIの齟齬
SATAホストバスアダプタのI/F仕様である AHCI(Advanced Host Controller Interface)は、基本的に(従来用の)IDE互換モードとAHCIモードの両方をサポートしていたと記憶しています。
しかし、時代と共に互換性のために残されていた従来の命令体系が重視されなくなったとしてもおかしくはありません。
※上記SSDの挿抜&BIOSチェックを2セット確認したので接触不良は考えづらいし、、、
その他考えうる可能性
- 4kn
4Kセクタのブートディスクは、UEFIモードでのみサポート。
当該SSDにその表記はない。 - GPT
BIOSではGPTに対応していない(UEFIは対応)。
OSインストール前だし、工場出荷時のSSDでは考えづらい。
(初期不良ならともかく) - 電力不足
元々のHDDと同様の1.0Aなので考えづらい。
(HDDの様に起動時にスピンアップするんならともかく) - LBAとの相性(BIOS側)
- コントローラとの相性(SSD側)
チップとの相性については、(IDEと互換性の高かったSATA Iではなく)SATA IIIですので、可能性は無くはありません。
なんと言っても当VersaProは、2007年発売モデルですから...。
残念だったのは、当該PCがこれらのいずれかに該当しているという確証が見つけられなかったことです。
SSDが4kn(4K Native)だったらスッキリしたんですが。
そのため、不本意ながら多分としています。
VersaProにはSX900を入れました
動かないと始まらないので、VY12M/C-3 には古いSSD"SX900"を入れました。
本当はTLCのWD Green SSDを入れたかったんですが。
おまけ
SSDモニターアプリなど
WD Green SSDは、以下の2つのアプリケーションがダウンロード可能です。
- SSDモニターアプリ
- WD SSDダッシュボード
- バックアップソフトウェア
- Acronis True Image WD Editionソフトウェア
※共にWindows専用です
- Acronis True Image WD Editionソフトウェア
ダウンロードURL : WD Green SSD | WD サポート