Microsoft が海中に iDC 設置

大企業のやることは尖っていますね。
コモデティ化していない分野に手を付けるのは先行者利得を得る必須条件ですが、なかなかワイルドです。

base on Microsoftが海中にデータセンターを設置、電力も再生可能エネルギーだけでまかなうクリーンな仕様 - GIGAZINE
2018年06月07日 12時05分
Microsoftがデータセンターを海中に設置したと発表しました。
このデータセンターはスコットランド沖の海中に設置されており、全て再生可能エネルギーのみで動作するとのことです。

スコットランドのオークニー諸島は風力発電や潮力発電に適していることから、大規模なクリーンエネルギーの発電設備があることで知られており、Microsoftが設置したデータセンターはオークニー諸島から供給される再生可能エネルギーのみで稼働させるとしています。

Microsoftはこのデータセンターの利点の1つとして「設置から稼働までの期間」を挙げています。
通常、データセンターを建設して、システムの稼働まで進めようとすると約2年の年月を要しますが、今回Microsoftが設置した海中データセンターは、このプロセスを約90日に短縮したそうです。

似たようなソリューションとしては、コンテナ型データセンターがあります。
日本でもだいぶ前から各メーカーが参入していますが、私自身はお目にかかったことはありません。
土地単価の高い場所に向いているのでしょうが、地震大国だと耐震・免震でクリアしなければならない問題が多いのでしょう。

ここまで書いていて、昔、Google は月を追いかけるという記事を読んだのを思い出しました。

要約すると、2つの側面が見えてきます。

  • 涼しい気候の下であれば、工夫次第で冷却装置そのものが無くせる
  • (人が床につく)夜は昼に比べて涼しい、且つ電力消費ピークに比べると電気料金が安い
    ※特に内陸部(海に面していない国)では夜間の気温低下が顕著です

多国籍・多様性に富んだグローバル企業だからこそ成し得る技ですね。
当時はその発想に衝撃を受けたものです。

base on Google's Chiller-less Data Center | Data Center Knowledge
Jul 15, 2009
The equipment yard at the Google data center in Belgium features no chillers.

With the growing focus on power costs, many data centers are reducing their reliance on chillers to improve the energy efficiency of their facilities.

This has boosted adoption of "free cooling," the use of fresh air from outside the data center to support the cooling systems.

An Enabler for "Follow the Moon"?
The ability to seamlessly shift workloads between data centers also creates intriguing long-term energy management possibilities, including a "follow the moon" strategy which takes advantage of lower costs for power and cooling during overnight hours. In this scenario, virtualized workloads are shifted across data centers in different time zones to capture savings from off-peak utility rates.

ベルギーのGoogleデータセンターの機器ヤードには冷却装置がありません。

電力コストに重点が置かれるにつれて、多くのデータセンターは、施設のエネルギー効率を向上させるために冷却装置への依存を減らしています。

これにより、冷却システムをサポートするためにデータセンター外からの新鮮な空気の使用という「フリークーリング」の導入が促進されました。

月を追いかけられるか?
データセンター間で作業負荷をシームレスにシフトする機能により、夜間の電力と冷却のコストを削減する "月間の追跡"戦略を含む、長期的なエネルギー管理の可能性も生まれます。このシナリオでは、仮想化されたワークロードが異なるタイムゾーンのデータセンター間で移動され、オフピークの稼働率からの節約を実現します。

上記、リンク先(原文)にある気温(temperatures)は華氏(℉)です。
日本で一般的な摂氏(℃)に換算する必要があります。

ex. 華氏 80 ℉ ≒ 摂氏 26.7 ℃