輝度調節の代わりに Windows 10 の夜間モードを使ってみる

目次

Windows 10 で輝度調整ができなくなった

自室での BD 鑑賞には Lenovo G530 を使っています。
このノートPCを Windows 10 にアップグレードした際、輝度調整(画面の明るさ調整)ができなくなってしまいました。

G530 は、Windows 10 にした際にNIC(有線LAN)が 10Mbps になる不具合がありました。
Lenovo G530 を Windows 10 にアップデートしたらNICが「10Mbps」になった – あらいラボ
ただ、この輝度調整と合わせてそれ以外の問題は今のところありません。
おかげで、現役で使用しています。

この G530 は 2.75kg の重量級で、最も安価な部類に入る PC です。
(現在は Atom 搭載機も同様に廉価版として扱われていますが、当時の Atom 機は今より高価だった気がします)。

RAM 3GB のため 32bit 版を入れています。

Lenovo G530 444626J
OS Windows 10 Pro 32bit
プレインスール:Windows Vista Home Premium 32bit
CPU インテル® Celeron® プロセッサー T1600 製品仕様
PassMark - Intel Celeron T1600 @ 1.66GHz - Price performance comparison
チップセット Mobile Intel GL40 Express
メモリ 3GB(DDR2 PC2-5300)
ディスプレイ 15.4 インチ(グレア)
解像度 WXGA (1280x800)
NIC 10/100Mbps
Wireless IEEE802.11b, g
重量 2.75kg

そして、これが本題なのですが、この Lenovo G530 に Widows 10 を入れてからディスプレイの輝度調節ができなくなってしまいました。

確認してみると、ディスプレイドライバは WDDM 1.1 のものが導入されていました。
この G530 に Windows 10 をクリーンインストールすると、元 OS(Windows 7)のデバイスドライバではなく、汎用ドライバが適用されるようです。
※チップセット(GL40 Express)の Windows 10 用ドライバがメーカーから提供されていないため仕方のないことなのですが、代わりに汎用ドライバ(WDDM)が適用されるのは良心的だと感じました。

なお、使用する分には何ら問題なく PowerDVD を使った BD再生もスムーズです。

そういえば、最近 WDDM ドライバ増えましたね。

base on Windows Display Driver Model - Wikipedia
最終更新 2019年4月3日 (水) 16:08
Windows Display Driver Model(ウィンドウズ・ディスプレイ・ドライバ・モデル、WDDM)とは、GPU用デバイスドライバの枠組みである。

対応策

輝度調整できなくなった際の対応作としては、2つあります。

  • 夜間モードで暗めにする
    Windows 10(1703)から標準機能になった、夜間モードを使い画面を赤味がかった色へシフトさせる。
    ※ブルーライトをカットして赤味へシフトするイメージです。
  • フリーソフトで暗くする
    フリーソフトを使って、画面の色を暗くする。
    ※薄いグレーの膜を画面全体にかぶせるので、サングラスをして画面を見ている感じになります。

※どちらも、ディスプレイを暗めにする対応です。
(明るくすることはできません)。

夜間モード

輝度調整機能がないと、明るさ MAX! のため、画面が明るくて困るので Windows 1703 から導入された夜間モード(Night Shift)を利用してギラギラ感を減らすことにしました。

Windows 10 マーケティング名 バージョン コードネーム 提供開始時期
Windows 10 October 2018 Update 1809 Redstone5 (RS5) 2018年10月
Windows 10 April 2018 Update 1803 Redstone4 (RS4) 2018年05月
Windows 10 Fall Creators Update 1709 Redstone3 (RS3) 2017年10月
Windows 10 Creators Update 1703 Redstone2 (RS2) 2017年04月
Windows 10 Anniversary Update 1607 Redstone1 (RS1) 2016年08月
Windows 10 November update 1511 Threshold2 (TH2) 2015年11月
Windows 10 RTM 1507 Threshold1 (TH1) 2015年07月

設定方法

ディスプレイの設定から調節可能です。

base on Windows 10 でディスプレイを夜間用に設定する
最終更新日: 2019/03/29

  1. [スタート] > [設定] > [システム] > [ディスプレイ] > [夜間モード設定] の順に選択します。
    リンクの上の夜間モードのスイッチが灰色表示されている場合は、ディスプレイ ドライバーを更新する必要がある可能性があります。
  2. [スケジュール] の下で、[夜間モードのスケジュール] スイッチを [オン] にします。
    次に、[日没から朝まで] または [時間の設定] のいずれかを選択して、夜間モードのオンとオフを切り替えるためのユーザー設定時刻を入力します。
設定手順

今回の目的な輝度調整の代替なので、常時 ON にすることにします。

  1. [夜間モードのスケジュール] を [オフ] にする
  2. 画面上部の [今すぐオンにする] をクリックする (ボタンの表記は [今すぐオフにする] に変わる)。

※画面の暖色具合は「色温度(夜)」のバーで設定しますが、夜間モード ON・OFF どちらの状態でも変更できるので、夜間モードを ON にした状態で調整すると分かりやすいです。
この設定で再起動後も問題なく夜間モードが有効になります。

画面を暗くするフリーソフト

今回、インストール不要で簡単に使えることにフォーカスして探しました。

インストール不要だと、以下のようなメリットがあり便利です。

  • 解凍すれば、すぐ使える
  • 要らなくなれば、すぐ削除できる
    ダウンロード・解凍したファイルを削除するだけで OK です。

設定が反映される範囲について

確認したところ、下記フリーソフトの「画面の暗さ」はリモートデスクトップ(RDP)でも適用されていました。

リモートだと別 PC で画面を利用することになります。
画面の暗さは反映されないと思っていたので意外でした。

私は、リモートデスクトップの際は画面の暗さをオフにしています。
※後述しますが、当該 PC では dimmer を使っていますので(リモート時は)enabled のチェックを外しています。

確認環境
  • 親機
    Windows 10 Pro 32bit (1909)
  • 子機
    Ubuntu 16.04 LTS + Remmina

試したソフトウェア

以下の3つを Windows 10(1909)で動作検証しました。
※いずれも、インストール不要です。

  • Win10_BrightnessSlider
  • dimmer
  • DimScreen
Win10_BrightnessSlider

GitHub - blackholeearth/Win10_BrightnessSlider: this app puts a Monitor Brightness icon on Taskbar Tray. for win 7, 8, 10

特徴
  • 1ファイルのみで動く
所感

設定自体はとてもシンプルで、バー表示のみのものです。タブレットも意識した作りになっていると言えるでしょう。

Win10_BrightnessSlider タスクトレイ 右クリックで設定

残念ながら私の Lenovo G530(Windows 10)では、輝度調整ができませんでした。
ソフトウェア自体は起動してタスクトレイに常駐するので、PC によっては動かないことがあるようです。
(明るさ調整をしても反映されず、明るさ MAX!のままでした)。

このソフトウェアは Win10_BrightnessSlider.exe というファイル1つだけで動くので、シンプルで分かりやすいだけに残念でした。

dimmer

GitHub - clangen/dimmer: a display dimming app for windows with multi-monitor support

特徴
  • 1ファイルのみで動く

1ファイルで管理できて、問題なく動いたので私はこれを使っています。

所感

このソフトウェアは dimmer.exe というファイル1つだけで動くので、管理しやすく便利です。

また、輝度調整だけでなく色温度(赤っぽい色へシフト)も設定可能です。

未確認ですが、デュアルディスプレイ(複数モニター環境)でも別々(各々のモニター毎)に設定が可能なようです。
私の環境では、DISPLAY1 という表記で対象のモニターが表示されていましたので、ここに DISPLAY1, DISPLAY2 ... と増えていくのだと思います。

dimmer.exe をダブルクリックして起動すると、タスクトレイにアイコンが表示されます。
このアイコンを右クリックすると設定バーが表示されます。

この設定バーから、対象のディスプレイ・輝度調整(%)・色温度を指定します。
※brightness(輝度調整)、temperature(色温度)の設定がグレーになって選択できない場合は、enabled にチェックを入れて、設定を有効にします。

dimmer  タスクトレイ 右クリックで設定(輝度調整)
dimmer  タスクトレイ 右クリックで設定(色温度)

  • brightness
    輝度調整が 10% 間隔で設定可能です。

    • full brightness
    • 90 %
    • 80 %
    • 70 %
    • 60 %
    • 50 %
    • 40 %
    • 30 %
    • 20 %
    • 10 %
  • temperature
    色温度が 5段階で指定可能です。

    • default
    • 4500k
    • 5000k
    • 5500k
    • 6000k

バージョンは dimmer_0.3 で、Windows 10(1909)で動作確認しました。

DimScreen

DimScreen – Skrommel's One Hour Software

特徴
  • 設定画面がある
    上記2つのソフトウェアと異なり、明確に設定画面があります。
    これにより(設定を変更しても)再起動しても設定値通りになります。
所感

至ってシンプルで分かりやすいです。

DimScreen.exe をダブルクリックして起動すると、タスクトレイにアイコンが表示されます。
このアイコンを右クリックすると設定バーが表示されるので、お好みの % を指定します。

DimScreen タスクトレイ 右クリックで設定

私は dimmer を使っていますが、もし dimmer が動かなかったら、この DimScreen を使っていたと思います。

バージョンは DimScreen 1.1 で、Windows 10(1909)で動作確認しました。

課題点

夜間モード

Windows 標準の夜間モードを使用しても(効果が)効かないシーンがあります。

例えば、動画鑑賞。
私はパソコンでブルーレイを観るときは PowerDVD を使っていますが、動画部分には夜間モードは効きません。
(つまり明るい)。

フリーソフト

輝度調整のフリーソフトも Windows 標準搭載の夜間モード同様に、動画再生部分には輝度調整が効きません。

加えて、メニュー関連(スタートメニューやショートカットメニュー)にも効かないため、マウスの右クリックなどで表示されるメニューは、とても明るく表示されます。

それでも、使いやすい(夜間モードより暗さの設定範囲が広い)ので、上記で紹介した dimmer を使っています。