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読取:2.1GB/s・書込:1.2GB/s
2年前に記事にした Universal Flash Storage が、非常に高速になっており驚きました。
UFS バージョン 3.1 のシーケンシャルライトが 1.2GB/s(理論値)に到達しています。
base on Samsung、書き込み1,200MB/sのスマホ向け512GB eUFS 3.1量産開始 - PC Watch
2020年3月18日 16:40
eUFS 3.1では、シーケンシャルライト速度1,200MB/sを実現し、従来のeUFS 3.0と比べて約3倍の性能を発揮する。
UFS 3.1 へのバージョンアップでシーケンシャルライトが 1,200MB/s に到達しました。
これは、UFS 3.0 の 410 MB/s から、実に3倍となる値です(シーケンシャルリードは UFS 3.1 と同じ 2,100MB/s)。
※UFS の規格上の最大値です。UFS は(SSD のように)容量などでコントローラが変わるため、製品毎に性能が異なります。
なお、eUFS は UFS の組込向け製品となります。
- UFS
Universal Flash Storage - eUFS
embedded Universal Flash Storage
バージョン
UFS は 1.0、2.0、3.0 と順当にバージョンアップを重ねてきました。
ここにきて 3.1 と刻んできたのは、基本的な仕様が 3.0 と同じマイナーバージョンアップ版だからと思われます。
現に UFS 3.1 は(上述のパフォーマンス改善に加え)省電力化・生産コストの圧縮が行われています。
なお、UFS について基本的な仕様については下記をご参照ください。
base on Universal Flash Storage – あらいラボ
パフォーマンスの秘密
UFS 3.1 の理論値は驚くべきもので、数値だけに着目すると一般的な PC の SATA 接続 SSD を上回ってしまいます。
スマートフォンをターゲットとすると過剰スペックのようにも思えますが、eMMC 置き換えを狙う製品としては正しい姿なのでしょう。
現に(絶対数は少ないものの)SSD の代わりに実装されるケースも出てきています。
なにより UFS は、比較的新しい規格のため SSD や eMMC のいいとこ取りをしたような形になっています。
具体的には、以下のような特徴があります。
- SSD と同じ特徴(長所)
- コマンドキューイング
複数のデータアクセス指示があっても(それをストックして)、順次実行する技術です。
(処理がストックできるので)OS が複数の読取・書込を UFS へ要求でき、(ストレージ・コントローラで対応可能であれば)前の処理が終わる前に次の命令を実行できます。
これにより、ロス無くコマンドを逐次処理することが出来ます。 - 全二重 I/F
UFSは、読み取りと書き込みを同時に行うことができます(eMMC の読取・書込は排他)。
- コマンドキューイング
- eMMC と同じ特徴(長所)
- 省電力
スマートフォンをターゲットとしており、また組込用途の eMMC の置き換えを狙う製品のため、電力効率がよく省電力になっています。
- 省電力
後発の規格で、且つ今伸びている Samsung が強力にバックアップしていることを考えると、今後もますます性能向上していきそうです。
デスクトップやサーバ用途だと SSD で事足りますが、薄型ノート PC やセットトップボックスなど換装を想定しない機器への導入事例が増えていくと、選択の幅が広がりコストダウンの圧力も働きますから、知名度を上げていってほしいところです。