最新カーネルは古いPCにも対応

先日、Celeron M 搭載の愛機 VersaPro VY12M/C-3 を Lubuntu 18.04 へアップデートしました。

本当は、先日リリースされた最新版 Lubuntu 20.04 LTS にしたかったのですが、64bit 限定となってしまったので、諦めました。

なお、Lubuntu 18.04 LTS のサポートは、2023年4月までです。
あと、3年使えます。

OSS の OS サポートサイクルについては、下記にまとめています。

対象PC *32bit*

OS は 32bit 版を使ってアップデートします。
※今回対象にした PC が VersaPro VY12M/C-3 という古いもので、CPU が x86 のため 64bit OS の導入が出来ないため。

バージョンアップ

準備

今回、クリーンセットアップを行います。 ※理由は後述。
そのため、事前に必要なデータのバックアップを取得します。

アプリケーションの設定データ

アプリケーションの設定データは、大体の場合はホーム直下の .config などに格納されています。
※詳細は、下記記事をご参照ください。

アプリケーションのリスト

クリーンセットアップすると(アプリケーションも全て削除されるため)再度アプリケーションをインストールし直す必要があります。

私は、使用しているアプリケーションを書き出すようにしています。
例えば、こんな感じです(初期導入されているパッケージもあるはず)。

buttercup
chromium-browser
cifs-utils
filezilla
firefox
geeqie
gnome-disk-utility
gnome-system-monitord
leafpad
libreoffice
medit
painta
putty
remmina-plugin-rdp remmina-plugin-vnc
veracrypt

リストアップはしますが(万が一漏れた時を想定して)以下のように、現在の状態も取得するようにしています。

dpkg コマンドを使うと、パッケージの一覧を取得できます。
※パッケージ管理されているアプリケーションの一覧です(ソースコンパイルされたものは出力されません)。

$ dpkg -l
要望=(U)不明/(I)インストール/(R)削除/(P)完全削除/(H)保持
| 状態=(N)無/(I)インストール済/(C)設定/(U)展開/(F)設定失敗/(H)半インストール/(W)トリガ待ち/(T)トリガ保留
|/ エラー?=(空欄)無/(R)要再インストール (状態,エラーの大文字=異常)
||/ 名前                                       バージョン                                      アーキテクチ 説明
+++-==========================================-===============================================-============-===============================================================================
ii  abiword                                    3.0.1-6ubuntu0.16.04.1                          i386         efficient, featureful word processor with collaboration
ii  abiword-common                             3.0.1-6ubuntu0.16.04.1                          all          efficient, featureful word processor with collaboration -- common files
ii  accountsservice                            0.6.40-2ubuntu11.3                              i386         query and manipulate user account information
...

ユーザデータ

作成したデータ(テキストファイルなど)があれば、上記と併せて USB デバイスなどにバックアップします。

クリーンセットアップ

過去の経験を活かし(OS 起動中のアップデートでのバージョンアップではなく)クリーンセットアップしました。

なお、Lubuntu 16.04 LTS -> 18.04 LTS へのシステムアップデートでうまくいかなかったことや気になったことは下記にまとめています。
※下記記事のハードウェアは x64 です(VY12M/C-3 は x86)。

Lubuntu 18.04 LTS へ

下記から Lubuntu の ISO ファイルをダウンロードして、インストールしました。

国内の有名どころな FTP サイトでは Lubuntu は扱っていないため(リンクは貼ってあるけれど)、ダウンロードにはそれなりに時間がかかります。

USBデバイスへの書き込み

ISO ファイルを USBデバイスに書き込むには Rufus(ルーファス)を使いました。

普段は Etcher(エッチャー)を使うのですが USB-HDD へ書き込めなかったため、Rufus を使いました。

Rufus で USB-HDD に書き込むには

Rufus ではデフォルトで USB-HDD が表示されないため、選択することができません。

下記操作で(画面上に)USB-HDD を表示してから、選択します。

  1. 画面中央の [詳細なドライブ プロパティを表示] をクリック
  2. 表示された [USB 接続の HDD を一覧表示] にチェックを入れる
    これで、画面上部の [ドライブ] プルダウンに USB-HDD が表示されるようになるので、選択します。

※Rufus やそれ以外のツールについては Live USB 作成ツールまとめ でご紹介しています。

カーネルバージョンの確認

せっかく Lubuntu 18.04 LTS へアップデートしたので、カーネルバージョンを確認してみました。

というのも、前回通常のアップデート(dist-upgrade)で起動しなくなる不具合があったからです。
Ubuntuの最新カーネルでPCが起動しない)。

最新になっています。
Linux version 5.3.0-53-generic

$ cat /etc/issue
Ubuntu 18.04.4 LTS \n \l

$ cat /proc/version
Linux version 5.3.0-53-generic (buildd@lgw01-amd64-040) (gcc version 7.5.0 (Ubuntu 7.5.0-3ubuntu1~18.04)) #47~18.04.1-Ubuntu SMP Thu May 7 19:47:25 UTC 2020

あの後、32bit ハードウェアでも問題なく動くように改修されたようです。さすが!!!