目次
前置き
無償利用できる開発者向けの「Red Hat Developer」プログラムが拡充され、16システムまで利用可能になりました。
今までは共用不可の 1システムだけだったので、かなり思い切った対応だと感じています!!!
事の発端
先日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のオープンソース版 CentOS の提供方法が変わることが発表されました。
base on CentOSのEoLは短縮され、CentOS Streamへ – あららぼ
先日(12/8 現地時間)、CentOS が CentOS Stream へ移行することが発表されました。
ローリング・リリース方式へ移行すると、何が困るかと言うと バージョン番号で固定されない というところです。
大企業はともかく、日本企業の 99% を占めると言われる中小企業では CentOS は大活躍です。
業務利用はともかく、個人利用でも CentOS が RHEL の代わりに使えないとなると、なかなか厳しいです...よね。
そんな空気を察したのか、以前から Redhat から提供されていた無償利用オプションが拡充されました。
Red Hat Developer Subscription for Individuals
「Red Hat Developer」プログラムは、開発者向けのサブスクリプションサービスという位置づけです。
base on 新しい年と共に始まる新しい Red Hat Enterprise Linux プログラム:RHEL の利用がさらに簡単に
RHEL にも以前から Red Hat Developer プログラムで無料利用オプションが提供されていましたが、利用条件により、開発者が使用する 1 台のマシンでの利用に限られていました。
今回 Red Hat Developer プログラムの利用条件を拡張し、RHEL の個人 開発者向けサブスクリプションで 16 システムまでプロダクション環境で利用できるようにします。
16 システムまでであれば、「本番環境でも利用できる」というのはかなり思い切った決断でしょう。
今後の方向性
CentOS がローリング・リリース方式への移行を表明してから、各所で代替 OS への検討が行われています。
そして、それを牽制するかのような Redhat の(16システムまで無償)発表。
16システムというと、中小企業ならば十分な規模でしょう。
ただ、注意が必要なのは、これは CentOS ユーザへの救済措置の一環である、という点です。
(流石にいきなりの方向転換は無いでしょうが)いつ方向性が変わるのか分からないので、注視していく必要はありそうです。
代替OS
無償で 16システムで使えると言っても、開発環境まで含めるとそれを超えてしまうことは往々にあるでしょう。
そうなると、本番は RHEL・開発その他は代替 OS でと行きたいところです。
代替 OS を探す際のポイントは、ひとえにリリースの安定度(頻度)だと考えています。
もちろん、OS そのものの安定性も重要です。
ぽっと出の(ごめんなさい)OS ではなく、従来からリリースされているディストリビューションが望ましいと思います。
上記ポイントを踏まえると、以下の 3つが最有力でしょうか。
- Oracle Linux
オラクル・リナックス。 - Scientific Linux
サイエンティフィック・リナックス。 - Springdale Linux
スプリングデール・リナックス。旧 PUIAS Linux。
Oracle Linux
文字通りオラクル社のディストリビューションになります。
RHEL のクローンである CentOS よりリリースが速いらしいです。
Scientific Linux
こちらは、以前 CentOS が RHEL 6 時代にリリースが大幅に遅れた際、Scientific Linux 6 のリリースが先行したことで存在感を増したディストリビューションとして記憶残った人も多いのではないでしょうか。
非常に安定したディストリビューションと言えるでしょう。
Springdale Linux
Springdale Linux は、ネットでググってもあまり情報が出てこない印象を受けましたが、ウィキペディアを見ると(DistroWatch 調べの)一日当たりの平均検索数は 2013年現在 161位とのことなので、以前からあるようです。
また、公式サイトでは最新版として Springdale Linux 8.3 がリリースされていますので、一考してもよさそうな印象を受けました。
その他
注目株としては、下記 2つでしょうか。
今回の CentOS Stream か騒動を受け、立ち上がったディストリビューションです。
- AlmaLinux
CloudLinux OS をベースとしたディストリビューションになります。
CloudLinux OS 自体は 2010年がリリースなので、ぽっと出ではないですが、AlmaLinux 自体は未知数と言えるでしょう。 - Rocky Linux
こちらは完全に未知数です(と思ってます)。