HDD外付けケースCRIB535EU3V2でパーティションとファイルシステムを作成する

自宅の NAS RN31600 は HDDケース(DAS)CRIB535EU3V2 でバックアップを取っています。
(全部のバックアップは取れないので、重要なファイルだけ取ってます)。

今まで、CRIB535EU3V2 は 1TB x 4 構成でした。
せっかく 5ベイあるのだからと、1TB 足して 5本構成にしたところ、問題が発生しました。

具体的には、NAS の管理画面に接続しているはずの HDDケースが表示されない、という問題。
※ NAS - HDDケース間は USB 3.2 Gen 1(USB 3.0)接続。

発端

CRIB535EU3V2 は RAIDケースで、RAID モード変更時には、必ず Clear RAID(ディスクをバラバラに認識する非 RAIID)にする手順を挟む仕様です。

もともと RAID 5 で使っていたものの 1本追加するので、いったん Clear RAID することにしました。
どうせ Clear RAID するからと 5本で Clear RAID してから、モードを RAID 5 へ。

あとから思うと、既存 4本で Clear RAID・新規 1本で Clear RAID して、最後に 5本で RAID 5 にすればすんなりいったのでは... と思いました。

※つまり、RAID 設定した構成か1本ずつで Clear RAID しないといけない模様。

そして、NAS 管理画面に表示されない泥沼が始まりました。

現象

NAS に表示されないので、PC から覗いてみました。
ん? RAID 0
何度 Clear RAID をしてもこの表記は変わりませんでした。

$ cat /etc/issue
Ubuntu 24.04.1 LTS \n \l

$ sudo fdisk -l
ディスク /dev/sdb: 3.64 TiB, 4000627818496 バイト, 7813726208 セクタ
Disk model: RAID0           
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 4096 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 4096 バイト / 4096 バイト
ディスクラベルのタイプ: dos
ディスク識別子: xxx3205226

区画作成

準備

この後、パーティションとファイルシステムを作成して、無事認識されるに至るのですが、そのためには必要な工程が 1つありました。

  • HDD ケースで HDD 1本ずつ Clear RAID する

(RAID モードにした構成で Clear RAID しないといけないのか)どうも Clear RAID に失敗すると、他の RAIDモードへの変更ができないことが分かりました。

そして、1本単位なら Clear RAID できることが分かりました。
※ 5本あるので、1本ずつ差し替えて電源 OFF・ON した。面倒だった。
※ Clear RAID が成功した状態で fdisk -l すると、ちゃんと HDD 5台認識されました。

ちなみに、Clear RAID 後、めでたく RAID 5 モードに切り替え成功すると、fdisk -l でも Disk model: RAID5 になりました。

$ sudo fdisk -l
ディスク /dev/sdb: 3.64 TiB, 4000627818496 バイト, 7813726208 セクタ
Disk model: RAID5           
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 4096 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 4096 バイト / 4096 バイト

パーティション作成

今回は 1TB x 5本で RAID 5 構成で、(分散パリティで 1本分消費するので)トータル 4TB になります。

パーティションが 2TB を超えるので、fdisk ではなくて gpt コマンドを使います。

$ sudo parted /dev/sdb
GNU Parted 3.6

(parted) mklabel gpt                                                      
(parted) mkpart primary ext4 0% 100%
(parted) print                                                            
モデル: SSI H/W RAID5 (scsi)
ディスク /dev/sdb: 4001GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/4096B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ: 

番号  開始    終了    サイズ  ファイルシステム  名前     フラグ
 1    1049kB  4001GB  4001GB  ext4              primary

(parted) quit         

作成したパーティション上にファイルシステム ext4 を設定。
一部セクタ欠落があるのか Superblock(ファイルシステムが破損している時、予備のスーパーブロックで復旧)してくれました。

$ sudo mkfs.ext4 /dev/sdb1
mke2fs 1.47.0 (5-Feb-2023)
Creating filesystem with 976715264 4k blocks and 244178944 inodes
Filesystem UUID: 3ebf9c7a-b525-441c-841c-xxxxxxxxxxxxxxx
Superblock backups stored on blocks: 
    32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208, 
    4096000, 7962624, 11239424, 20480000, 23887872, 71663616, 78675968, 
    102400000, 214990848, 512000000, 550731776, 644972544

Allocating group tables: done                            
Writing inode tables: done                            
Creating journal (262144 blocks): 
done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done       

改めてディスク確認すると、/dev/sdb1 としてボリューム認識されてます。

$ sudo fdisk -l
ディスク /dev/sdb: 3.64 TiB, 4000627818496 バイト, 7813726208 セクタ
Disk model: RAID5           
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 4096 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 4096 バイト / 4096 バイト
ディスクラベルのタイプ: gpt
ディスク識別子: 3225A3A7-FC17-4C2C-81AC-xxxxxxxxxxxxxx

デバイス   開始位置   最後から     セクタ サイズ タイプ
/dev/sdb1      2048 7813724159 7813722112   3.6T Linux ファイルシステム

この状態で、NAS に接続するとちゃんと認識されました。
めでたしめでたし。