昨日、ChromiumとChromeの相違点という記事を書いたので、相違点つながりでシングルボードコンピュータ(SBC)とパーソナルコンピュータ(PC)との違いを列記してみることにしました。
当ブログでも記事にすることの多いシングルボードコンピュータですが、通常のコンピュータ(PC)と何が違うのでしょうか。
原点に立ち戻り、何が同じで何が違うのかをまとめました。
相違点
処理装置
- PC は主に CPU
パソコンは、INTEL の CISC(x86 アーキテクチャ)を実装することがほとんどです。
INTEL から提供される Atom は SoC ですが、x86 アーキテクチャです。
※広義では、x86 アーキテクチャは 64bit CPU を含みます。 - SBC は SoC
RISC(ARM アーキテクチャ)で実装されている CPU にあたる装置です。
スマホ(スマートフォン・タブレット)なども CPU ではなく、この SoC を実装しています。
※SoC は system on a chip の略称で、CPU に複数モジュールを付与して1チップに集約した集積回路です。
BIOS(UEFI)
- PC には BIOS(UEFI)がある
- SBC には BIOS(UEFI)はない
PC はその多機能さゆえ、BIOS(UEFI)で一部機能の制御が可能になっています。
※BIOS で設定したものは OS から変更可能なものとそうでないものがあります。
SBC は PC のように周辺機器の接続も多くありませんし、内蔵機器も限られます。
それに IoT のように、手離れ良く運用しようとすると BIOS(UEFI)が無いのは妥当でしょう。
リアルタイムクロック(real-time clock、RTC)
- PC には RTC が内蔵されている
- SBC には RTC 非内蔵
リアルタイムクロック(RTC)とは、ボード上に実装された時計のようなものです。
PC だと水晶発振器などと表記されることが多い部品です。
PC では、OS 起動前に表示することのできる BIOS / UEFI で日時の表示の際にも利用されます。
SBC では BIOS / UEFI がありませんし、リソース不足を補うために(通常は)ネットワークに接続されて運用されます。
IoT そのものがネットワークに接続されることを前提に設計されており、大半の SBC も NIC ないし Wi-Fi モジュールを内蔵しています。
大抵は LAN・WAN の NTP サーバに接続することになり、問題にはならないでしょう。