以前、Raspberry Pi (Raspbian) に OpenMediaVault を導入しました。
また、Banana Pi でファイルサーバを構築した際は、Debian + SMB のベーシックパターンでセットアップしています。
今回は以前とは異なり、SBC用に公開されているイメージファイルを使ってファイルサーバを構築しています。
以下、OpenMediaVault を OMV と略記します。
目次
環境
導入環境 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
SBC | Banana Pi M1 Classic | |
SD | 2GB | Class表示なし |
以下からダウンロードできます。
※Raspberry Pi, Odroid などは他ディレクトリに分かれているので要チェック。
- ルート
openmediavault - Browse Files at SourceForge.net - SBC 用
openmediavault - Browse /OMV 4.x for Single Board Computers at SourceForge.netfile date size OMV_4_Banana_Pi.img.xz 2018-06-03 457.8 MB
注意点
起動ディスクは共有不可
OMV は、起動ディスクを公開することはできません。
デフォルトは80版ポート
Web管理画面はデフォルトで80番を使用します。
セットアップ後に変更は可能ですが、当該ポートを使用中の場合は注意が必要です。
その他
他の SBC OS 同様、起動時にIPアドレスがディスプレイ表示されます。
DHCP環境下では、自動でIPアドレスを取得します。
(同一セグメントに DHCP サーバがない場合は、後述のIP固定化で任意設定してください)。
例)以下、DHCP環境で取得した場合。
Welcome to ARMBIAN 5.46 user-built Debian GNU/Linux 9 (stretch) 4.14.44-sunxi
System load: 0.67 0.51 0.30 Up time: 7 min
Memory usage: 8 % of 992MB IP: 192.168.2.13
CPU temp: 40°C
Usage of /: 80% of 920M
事前準備
アップデート
アップデートします。
# apt update
# apt upgrade
初期id・パスワード
CLI, GUI でユーザidが異なります。
環境 | 初期id | 初期パスワード | 備考 |
---|---|---|---|
CLI | root | openmediavault | 初期状態でSSH接続は無効 |
GUI | admin | openmediavault | Web管理コンソール |
SSH接続
root での SSH接続はデフォルトで無効になっています。
有効にするには、root接続を許可する必要があります。
- root 接続の許可方法
- Webコンソールに接続
- [サービス]項目の [SSH] を選択
- [rootアカウントでのログインを許可]欄を"ON"にする
公開鍵エラーになる場合
known_hosts に登録されている公開鍵が違います、という警告メッセージが表示されて接続できないことがあります。
$ ssh root@192.168.2.210
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
@ WARNING: REMOTE HOST IDENTIFICATION HAS CHANGED! @
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
IT IS POSSIBLE THAT SOMEONE IS DOING SOMETHING NASTY!
Someone could be eavesdropping on you right now (man-in-the-middle attack)!
It is also possible that a host key has just been changed.
The fingerprint for the RSA key sent by the remote host is、
SHA256:a4K/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
Please contact your system administrator.
Add correct host key in /home/console/.ssh/known_hosts to get rid of this message.
Offending RSA key in /home/console/.ssh/known_hosts:7
remove with:
ssh-keygen -f "/home/console/.ssh/known_hosts" -R 192.168.2.210
RSA host key for 192.168.2.210 has changed and you have requested strict checking.
Host key verification failed.
その場合は、警告メッセージにあるように known_hosts から当該IP(ホスト)を削除してから再接続を行えばOKです。
当該コマンドを実行すると、有り難いことにバックアップファイル(known_hosts.old)も作成されます。
$ ssh-keygen -f "/home/console/.ssh/known_hosts" -R 192.168.2.210
# Host 192.168.2.210 found: line 7
/home/console/.ssh/known_hosts updated.
Original contents retained as /home/console/.ssh/known_hosts.old
再接続
再度接続すると、新規登録になるので繋がります。
known_hosts に公開鍵が未登録なので、登録有無の確認メッセージが表示されます(yes でOK)。
$ ssh pi@192.168.2.210
The authenticity of host '192.168.2.210 (192.168.2.210)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256:4izeO/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
パスワード変更
パスワードを変更しておきます。
CLI
# passwd
Changing password for root.
(current) UNIX password:
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
GUI
- Webコンソールに接続
- [システム]項目の [一般設定] を選択
- {Web管理者パスワード}タブからパスワードを登録
ボタン [保存]、そして [適用] を押下すると、設定が反映されます。
※エラーになりますが、ログオフして再度ログインすると、パスワードが変更されていることを確認できます。
ファイルサーバ設定
IP固定化
# cat /etc/network/interfaces
# Include additional interface stanzas.
source-directory interfaces.d
# The loopback network interface
auto lo
iface lo inet loopback
# cat /etc/network/interfaces.d/default
# Wired adapter #1
allow-hotplug eth0
no-auto-down eth0
iface eth0 inet static
address 192.168.2.210
netmask 255.255.255.0
gateway 192.168.2.1
dns-nameservers 8.8.8.8 8.8.4.4
# reboot
ユーザー追加
SMBで使うユーザを登録します。
- Webコンソールに接続
- [アクセス権利の管理]-[ユーザー]
- {ユーザ}タブの [追加]ボタンを押下して"追加"を選択します。
SMB 有効化
SMB が初期状態で無効になっているので、有効にします。
- Webコンソールに接続
- [サービス]-[SMB/CIFS]
- {設定}タブを選択し、[一般設定]欄の"有効"を"ON"にする
共有ディレクトリの追加
- Webコンソールに接続
- [サービス]-[SMB/CIFS]
- {共有}タブを選択し、[追加]ボタンで"共有の追加" 画面を開きます。
項目 | 設定 |
---|---|
有効 | ON |
共有フォルダ | [アクセス権の管理]-[共有フォルダ]で追加したディレクトリを使用できます |
コメント | 任意 |
パブリック | 以下から選択可能です。 ・いいえ ・ゲストを許可 ・ゲストのみ |
読み込み専用 | ON にすると Read Only になります |
参照可能 | ON にするとマスタブラウザの機能を有します |
ACLを継承 | ON にすると親ディレクトリのACLを継承します |
パーミッションを継承 | ON にすると Create mask, Directory mask が無視されます |
ゴミ箱 | ON にすると 削除ファイルが保護されます |
ドットで始まるファイルを隠す | ON にすると隠しファイルは表示されません |
拡張属性 | ON にすると OS/2(IBMのOS)の拡張属性が有効になります |
DOS属性を書き込む | ON にするとDOS属性を優先的に読み込みます |
許可するホスト | 指定すると当該ホストにのみアクセスが許可されます |
拒否するホスト | 指定すると当該ホストのアクセスが拒否されます |
監査 | ON にすると監査ログが取得されます |
追加オプション | smb.conf の設定を追記可能 |
ストレージ追加
共有ディレクトリとして公開するためのストレージを追加します。
物理的に Banana Pi に接続した後に、Webコンソールから操作します。
- Webコンソールに接続
- [ストレージ]項目の [ファイルシステム] を選択
- [追加]ボタンを選択し、"ファイルシステムの作成"画面を開く
- ファイルシステムの作成 画面
項目 設定内容 デバイス 外部ストレージを選択します ラベル 任意です ファイルシステム 以下から選択可能です。
・BTRFS
・EXT3
・EXT4
・XFS
・JFS
- ファイルシステムの作成 画面
上記を設定して [はい]ボタンを押下すると、一覧表に戻ります。
右端の [ステータス] 欄で「初期化」の表示がグルグルするので、[ステータス]欄が「オンライン」になるのを待ちます。
"オンライン"になったら、当該デバイスを選択して [マウント]ボタンを選択します。
アクセス権設定
- Webコンソールに接続
- [アクセス権の管理]項目の [共有フォルダ] を選択
- [追加]ボタンを選択し、"共有フォルダの追加"画面を開く
項目 | 設定内容 |
---|---|
名前 | 任意で設定 (必須) |
デバイス | 上記、ストレージ追加で登録したデバイスが選択可能 |
パス | 名前欄が自動登録されます (変更可) |
パーミッション | 以下から選択可能です。 |
コメント | 任意で設定 |
- パーミッション
- Pulldown 1
ユーザ 権限 Administrator R/W Users Access denied Others Access denied -
Pulldown 2
ユーザ 権限 Administrator R/W Users Read Only Others Access denied -
Pulldown 3
ユーザ 権限 Administrator R/W Users R/W Others Access denied -
Pulldown 4
ユーザ 権限 Administrator Access denied Users Read Only Others Read Only -
Pulldown 5
ユーザ 権限 Administrator R/W Users R/W Others Read Only -
Pulldown 6
ユーザ 権限 Administrator R/W Users R/W Others R/W
- Pulldown 1
SMB接続サンプル
以下、PC(Lubuntu 16.04.4 LTS x64) → OMV への接続例。
$ sudo mount -t cifs -o username=omv,rw,file_mode=0777,dir_mode=0777 //192.168.2.210/Share /media/{Directory}
※mount書式については「Banana Pi でファイルサーバ」をご参照ください。