我が家では 、シングルボードコンピュータ Banana Pi M1 Classic
でファイルサーバを構築しています。
起動が早い 簡易 NAS として、2018 年から活躍していました。
しかし、コロナ禍で急遽 Banana Pi
を mpd(ミュージック・プレーヤー・デーモン)として転用したため、上記 NAS は NanoPi NEO
で運用を引き継ぐこととなりました。
今も元気に稼働中ですが、NanoPi NEO
は 100BASE-TX のためパフォーマンスが低いです。
そのため、Gigabit Ethernet(1000BASE-T)搭載のシングルボードコンピュータを新調することにしました。
シングルボードコンピュータで mpd を構築する手順については、下記をご覧ください。
シングルボードコンピュータの Gigabit Ethernet・100BASE-TX のパフォーマンス比較については、下記をご覧ください。
要件
NAS 用シングルボードコンピュータの選考基準は以下にしました。
- OS サポート
入手経路が限られる OS も要調査対象となります。
個人的には、Armbian がサポートするボードがベストですが、最低でも公式サイトで提供されていることが必要です。 - USB 3.0 ポートがあること
USB 3.0 のディスク装置を接続するため。 - Gigabit NIC 搭載
ファイル転送に最も大きく影響する要素のため。 - RAM 1GB 以上
Samba だと大してメモリを消費しないので。(もちろん、多い分には構わない)。 - 本体価格が 5000 程度まで
予算の問題です。 - 在庫がある(完売していない)こと
入手性は大切だと思っています。
※ケースは別。
調査
スペック
条件を満たす製品をピックアップしてみました。
なお、表の "参考価格" は本体のみの価格です。
製品 | SoC | RAM | 参考価格 | USB3.0数 | 電源 | OS |
---|---|---|---|---|---|---|
LeMaker | ||||||
Banana Pi M5 | amlogic S905X3 | 4GB | $53 | 4 | USB Type-C (DC 5V/2A) | 公式サイト |
FriendlyElec | ||||||
NanoPi M4 | Rockchip RK3399 | 2GB | $50 | 4 | USB Type-C (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
NanoPi NEO4 | Rockchip RK3399 | 1GB | $50 | 2 | USB Type-C (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
NanoPi R4S | Rockchip RK3399 | 1GB | $50 | 2 | USB Type-C (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
Hardkernel | ||||||
Odroid-C4 | Amlogic S905X3 | 4GB | $50 | 4 | DC jack (DC 12V/2A) | Armbian 公式サイト |
Xunlong | ||||||
Orange Pi 3 | Allwinner H6 | 1GB | $48 | 4 | DC input,MicroUSB (5V/2A) | Armbian 公式サイト |
Radxa (PINE64) | ||||||
PINE H64 Model B | Allwinner H6 | 2GB | $36 | 1 | DC jack (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
PINE H64 Model B | Allwinner H6 | 3GB | $45 | 1 | DC jack (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
ROCK64 | Rockchip RK3328 | 1GB | $25 | 1 | DC jack (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
ROCK64 | Rockchip RK3328 | 2GB | $35 | 1 | DC jack (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
ROCK64 | Rockchip RK3328 | 4GB | $45 | 1 | DC jack (DC 5V/3A) | Armbian 公式サイト |
ROCK Pi E | Rockchip RK3328 | 1GB | $47 | 1 | USB Type-C (DC 5V/2A) | Armbian 公式サイト |
外観
運用時はケースに入れるので、外観はすごく重要です...よね。
壊れにくいケースを選ぶコツは、レーザーカッターで切り出したアクリル板をはめ込むタイプを避けることです。
レーザーカッターで切り出したアクリル板はクリアタイプであることが多いので見た目が綺麗なのですが、材質的にも形状的にも欠けたり割れたりしやすいです。
私見ですが NanoPi シリーズを展開する FriendlyElec はケースが豊富で、且つセンスがあると思っています。
また、Odroid シリーズを展開する Hardkernel は扱いやすいケースであることが多いです。
※FriendlyElec・Hardkernel ともにオプションも豊富です。
メタルケース
- NanoPi R4S
ブラックの金属製で高級感もあり、持ち運びも OK なケースです。
ちなみに、所有しているNanoPi NEO
は(3D プリンタで製造された)プラケースですが、持ち運んだことが何度かあります。
作りがしっかりしているので、全く問題なかったです。
プラケース+ヒートシンク
- NanoPi M4
- NanoPi NEO4
NanoPi M4
、NanoPi NEO4
はケースがとても良く似ています。
ともに ハイエンド SoCRK3399
を搭載するため、大型のヒートシンクをサポートしています。
そのためか、NanoPi R4S
のようなシックなケースはありませんが、ヒートシンクでカバーできない部分をアクリル板で覆うことが出来るようになっています。
プラケース・アクリルケース
-
Banana Pi M5
対応ケースが見当たりませんでした。
お勉強向けのボード、という印象が強いので、あまりケースに需要がないのかもしれません!?
ちなみに、所有しているBanana Pi M1 Classic
のケースはシンプルで、レーザーカッターで切り出したアクリル板を組み合わせるタイプです。
そうは言ってもネジ止めするタイプでガッシリしているので、特に問題なく使えています。 -
Odroid-C4
Odroid シリーズを展開する Hardkernel には「全体を覆うタイプ」のケースが多く、ちょっとした持ち運びなら安心感があります。 -
Orange Pi 3
Orange Pi シリーズ伝統のプラケースです。
写真を見ると 4角をネジ止めするタイプなので、安定感はありそうですが、デザインがいまいち。
ぐぐってみると、メタルケースなどもあるようでこちらのデザインはなかなかです。
ただ、やはり初見のサイトなのでクレジットカード番号入れていいの?という不安はつきまといます...。 -
ROCK64
-
PINE H64 Model B
-
ROCK Pi E
どうも PINE64・ROCK64 シリーズを手がける Radxa はケースにあまり注力していないようで、種類が少なく流通量も少ない印象です。
ROCK64
は米アマゾンで安価なケースを見つけました。
ROCK64
を購入したら(私だったら)このケースを使うと思います。
なお、検索キーワードROCK64 CASE Zebra Black
でヒットします。
PINE H64 Model B
は ameridroid というサイトでケースを見つけました。
ケース自体は良さそうですが、このサイト・・・初見なので使って良いのやら...(_ _)
ちょっと様子見です。
ROCK Pi E
はALLNET China
で対応ケースを見つけましたが、おもちゃです。
この手のケースは無いかな〜。
私だったら、ケースなしで運用します。
結論
- コストを重要視するなら
ROCK64 1GB モデル
- 持ち運ぶなら
Odroid-C4
orNanoPi R4S
※持ち運ばなくても、ケーブル引っ掛けて倒すとか良くあることなので、ケースが丈夫なのは良いことです。 - ケース不要なら、どれでも!
今回は ROCK64 1GB モデル
か NanoPi
シリーズで検討することにしました。