先日行ったsamba経由での Banana Pi M1 Classic の性能を正しく測るために、再度テストを実施しました(Banana Pi のN/W経由のHDD測定)。
前回のテストは
- 測定中、CPU占有率は低いままなのでコントローラ周りの性能
- Banana Pi M1 のディスクコントローラ
- CROO-IS(のIDE→SATA変換)がボトルネックになっている etc.
- sambaのチューニングをしていないから
- 100BASE-TX環境でテストしたから(Banana Pi M1 のonBoard NICはGigabit)
などの疑問点が残る形となりました。
反省点を踏まえ、今回はケーブルを含めGigabit対応にしました。
また、前回同様に3.5HDD(IDE / 7200rpm)と、回転数は異なりますが新たに2.5HDD(SATA300 / 5400rpm)を用意して差異を確認していきたいと思います。
なお、sambaのチューニングに際して、参考にさせていただいたのは以下のページです。
目次
MTUの設定変更(Jumbo Frame)
$ ifconfig eth0 mtu 9000
Banana Pi M1 Classic 搭載NICのスペックなのかOSなのかは不明ですが、未対応でした。
socket options(samba送受信ソケットのパラメータ)の設定
上記Webサイトを参考に、sambaの"socket options"パラメータを変更してテストしました。
1. socket options = TCP_NODELAY SO_RCVBUF=16384 SO_SNDBUF=16384
2. socket options = (行自体は記載するが値は未設定)
3. socket options 自体を未設定(デフォルトは未設定)
テスト用ディスク(1):WD製HDD概要
先日、使用したWD製HDDと同じもの(WD製:E-IDE、250GB / WD2500)を流用しています。
HDD | 基本性能 | I/F | 変換基盤 | 変換後I/F |
---|---|---|---|---|
WDC WD2500BB-00GUA0 | 3.5HDD / 7200rpm | ATA/ATAPI-6 | CROO-IS | SATA/150 |
※詳細は「Banana Pi のN/W経由のHDD測定」の"使ったディスク"欄をご参照ください
テスト用ディスク(2):Fujitsu製HDD概要と詳細
HDD | 基本性能 | I/F |
---|---|---|
FUJITSU MHZ2250BH G2 | 2.5HDD / 5400rpm | SATA/300 |
以下、「CrystalDiskInfo 6.8.2」の情報抜粋。
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(2) FUJITSU MHZ2250BH G2
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Enclosure : FUJITSU MHZ2250BH G2 USB Device (V=04FC, P=0C25, sp1)
Model : FUJITSU MHZ2250BH G2
Disk Size : 250.0 GB (8.4/137.4/250.0/250.0)
Buffer Size : 8192 KB
Queue Depth : 32
Interface : USB (Serial ATA)
Major Version : ATA8-ACS
Minor Version : ATA8-ACS version 3f
Transfer Mode : ---- | SATA/300
Features : S.M.A.R.T., APM, AAM, 48bit LBA, NCQ
WD製HDD → USB接続 / USB2.0変換アダプタ経由
1. socket options = TCP_NODELAY SO_RCVBUF=16384 SO_SNDBUF=16384
2. socket options = (行自体は記載するが値は未設定)
3. socket options 自体を未設定(デフォルトは未設定)
WD製HDD → SATA接続
1. socket options = TCP_NODELAY SO_RCVBUF=16384 SO_SNDBUF=16384
2. socket options = (行自体は記載するが値は未設定)
3. socket options 自体を未設定(デフォルトは未設定)
まず、設定についての結論
USB2.0接続とSATA直接続双方のテストで、上記参考サイトの通り「socket options」は未設定のほうがパフォーマンスが高いという結論に至りました。
また、N/WはGigabitが最低条件になりそうです(100BASE-TX環境でのテスト結果は「Banana Pi のN/W経由のHDD測定」をご参照ください)。
そして、追加テスト
以下、「socket options」未設定の状態のみ、追加テストを実施しました。
Fujitsu製HDD → USB接続 / USB3.0変換アダプタ経由
3. socket options 自体を未設定(デフォルトは未設定)
USB3.0変換ケーブルを使用してのテストですのでWD製HDDと全く同じ条件ではありませんが、SATA300やNCQの有無が結果に影響することを確認できました。
Fujitsu製HDD → SATA接続
3. socket options 自体を未設定(デフォルトは未設定)
結果は、上記USB3.0変換ケーブルを使用してのものと大差ありません。
そして、性能上限の結論
どうやら、Fujitsu製HDDで行ったテスト結果(に、ちょっとプラスした程度)あたりが Banana Pi M1 Classic の性能上限のようです。
※「ちょっとプラスした程度」と記載したのは、IDE/SATA変換基板を使っている「WD製HDD → SATA接続」のほうがWRITE性能が高かったからです(結果の違いは、回転数の違いからくるものだと考えられます)
とはいえGigabit環境下であれば、シーケンシャルのWRITEで40MB前後・READで25-30MB前後の数値が出ているので、小規模な組織で使うNASとしては十分運用に耐えると思われます。
2017.9.15追記
BananaPi製品ページによると BananaPi M1 Classic のSATAは3Gbps対応版のようです。
また、スペック表によると、SDは上限64GB・SATAは上限2TBとなっています。